民主党
第二回定例道議会報告
2011.7.8
道議会民主党・道民連合議員会
政 審 会 長   福 原 賢 孝

 第2回定例道議会は、6月14日(火)に開会、23年度道補正予算、「原子力発電所の安全対策の強化等を求める意見書」などを可決し、7月8日(金)に閉会した。
 わが会派からは、代表質問に田村龍治(胆振管内)議員が立ち、知事の道政執行、東日本大震災対策、原子力発電への対応、財政運営、地方分権への対応、HAC問題などについて質疑を行った。
 また、一般質問には沖田清志(苫小牧市)、笹田浩(渡島管内)、松山丈史(札幌市豊平区)、向井昭彦(札幌市北区)、市橋修治(後志管内)、中山智康(伊達市)、高橋亨(函館市)、佐々木恵美子(十勝管内)の8議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。


主な審議経過について
採択された意見書
代表質問の要旨
一般質問者の質疑内容
委員会等における主な質疑
当面する課題と会派の対応

.主な審議経過について

  3月11日の東日本大震災や、これに伴う東電福島原発での事故を踏まえた対策が論議の大きな焦点となった。大規模地震や津波への備え、さらには北電泊原発や津軽海峡をはさんだ電源開発大間原発を抱える北海道としての原子力発電への対応、原発依存型のエネルギー政策からの転換などが論議されたが、知事は、「国の対応を見極める」との答弁に終始し、防災やエネルギー施策で、本道の特性を踏まえての対応は示されなかった。
 会期直前には、北海道エアシステム(HAC)やJR北海道で、あわや大惨事というトラブルが相次いだ。特に、HACは、道が主体となっての経営支援が開始されたばかりであり、3機の機材をフル稼働する運航体制などについて、安全確保の視点で論議が行われたが、知事は、「HACに求めていく」との答弁を重ねるばかりだった。
 提案された補正予算は、高橋知事3期目最初の予算だが、財政状況の悪化が一段と進んだものとなった。道は、国の臨時財政対策債で借金が増えたとするが、その臨時財政対策債や国の各種の経済対策基金で、収支のつじつまを合わせてきた実態にある。経済対策基金は底をつきかっており、道税収入は確実に悪化することが見込まれ、地方交付税も今後の見通しは厳しい。
 「財政立直しプラン」で今年度限りとしている職員人件費カットの復元への収支対策が必要になるなど、財源見通しがますます厳しくなる状況の中で、予算案では、札医大整備などの大型事業も盛り込まれた。このほか、多くの知事公約事業が予算化されたものの、検討費だけのような事業が並び、実現性への疑問や、道民や地域に丸投げされかねない懸念が持たれる。
 加えて、東日本大震災、福島原発事故によって、国の予算の東北への集中、さらには、大震災、原発事故を踏まえた道予算の防災対策への集中などが想定されるなど、今後の道財政を取り巻く状況は、より困難となると見込まれており、今後の道の行財政運営をしっかりと論議していく。
2定に提案された補正予算の規模は、一般会計2,760億7,500万円、特別会計10億8,700万円の合計2,771億6,200万円。これにより、23年度道予算は、一般会計2兆7,956億2,200万円、特別会計5,850億2,400万円の合計3兆3,806億4,600万円の規模となった。

up

.採択された決議・意見書
は政審発議、は委員会発議
原子力発電所の安全対策の強化等を求める意見書
東日本大震災からの復旧・復興及び地域経済の活性化を求める意見書
地方財政の充実・強化を求める意見書
母子家庭自立対策の充実を求める意見書
地方消費者行政の充実・強化を求める意見書
地方における公共事業の執行に必要な財源の確保を求める意見書
TPP交渉への参加を行わないよう求める意見書
米の先物取引試験上場の認可の撤回を求める意見書
JR三島・貨物会社の経営安定化に関する意見書
軽油引取税等に関する意見書
義務教育の機会均等の確保と教育予算の確保・拡充を求める意見書
森林・林業・木材産業施策の積極的な展開に関する意見書
道路の整備に関する意見書
up

3.代表質問の要旨
は質問者発言、は答弁者発言)
田村 龍治 議員(胆振管内)
1.知事の政治姿勢について
(1)道政執行のあり方について
今後4年間の道政運営、道民生活の安定にどのように取り組むのか。
私のめざす新生北海道への一定の道筋も見え始めた。新たなステージへの挑戦ととらえ、震災による被災地の復旧や観光の誘客に取り組む。
(2)知事公約について
公約の策定に際して、どういう考えで事業選択をしたのか。
地域に徹底してこだわり、50年後、100年後を見据え、財産を次世代に引き継ぐため取り組んでいく。
厳しい道財政下での公約実現の進め方をどうするのか。
新たな「公約の実行計画」を策定し、知恵と工夫を重ね取り組んでいく。
2 東日本大震災対策及び原子力発電について
(1)復旧・復興への取り組みについて
大震災から3ヶ月が経過した。道外被災地、被災者への支援にどう取り組むのか。
職員を被災地に派遣。北海道への一時的な避難の受入等に、積極的に取り組んでいく。
21世紀バックアップ拠点構想は、従来の構想が思い通りに進んでいない経過をどう踏まえ、従来構想とどう違うものを組み立てて実現しようとしているのか。
大震災を契機に、国民生活の安全・安心の確保や経済活動のリスク低減に向け、産業、暮らし、行政のバックアップ拠点として、機能を発揮する構想を推進していく。
(2)防災強化について
市町村が津波ハザードマップの見直しを速やかに進めるために、道の支援が必要だ。
新たな津波浸水予想図を関係市町村に提供するとともに、ハザードマップの作成や見直しへの支援のあり方を検討していく。
津波への避難計画が策定されているのは、わずか15市町村。計画に実効性を持たせるために、必要な資材の備蓄状況の把握と、道としての支援が求めらているが。
津波避難計画の実効性が担保できるよう、市町村での資機材整備のあり方を検討する。
災害時要援護者への対応、福祉避難所の増設等に具体的にどう取り組むのか。
支援対策マニュアルを改訂するとともに、「地域づくり総合交付金」のメニューに器材整備を加えた。
(3)原子力発電について
福島第一原発の事態を踏まえての、原子力発電そのものへの基本認識は。
安全性の確保を最重点に、エネルギーの安定供給が確保されるとともに、本道が優位性を有する再生可能エネルギーの開発・導入に積極的に取り組む。
原発を抱える他県の知事は、「慎重な対応」を発言しているが、知事の北電への対応には明確さが欠ける。定期点検中の泊原発1号機の運転再開、試運転中の同原発3号機の営業運転入りへの所見は。
安全規制を担う国が責任ある説明を行う必要があり、その説明内容を踏まえ、再稼働等への考え方を整理する。
原子力防災計画の見直しにあたっては、EPZの拡大が先行して行われるべきだ。
10月を目処に論点を整理、国の「原子力防災指針」策定状況に合わせ計画を見直す。
大間原発については、EPZの区域拡大も含め国に積極的に働きかけるべきだ。また、建設が続行されるなら、道南の防災計画を策定すべきだ。
「原子力防災指針」の見直しの内容を踏まえ、EPZや防災計画の策定に対応する。
「再生可能エネルギーの宝庫である北海道」としての貢献に、どのように取り組んでいくのか。また、省エネ・新エネへの取り組みをどう加速化していくのか。
省エネの実践、新エネ導入促進の検討を進めてきており、いっそうの省エネ施策の促進、新エネ導入に向けた研究開発への支援と関連産業の育成を加速していく。
3 財政問題について
(1)道財政の状況について
財源不足は190億円に膨らみ、26年度には640億円の収支不足が見込まれている。こうした状況に陥るのは、財政再建の取り組みが破綻しているからではないのか。
世界的な経済危機や大震災の影響により、収支不足額が当初計画より拡大したが、引き続き財政の健全化に向けて取り組んでいく。
今年度の財源不足の解消、財政の安定化にどう取り組むのか。
歳出平準化対策の見直し、減債基金の取り崩し、歳出の執行方法の見直しを行うとともに、来年度以降については、行政コストの縮減、施策の見直しを進めていく。
(2)基金について
今年度予算編成でも大きな効果があった、国の経済対策目的の基金が、順次、期限終了となっていくが、こうした基金事業の状況をどう認識し、対応していくのか。
有効期限の延長や交付金の追加交付等を国に要望する。
(3)道債について
道債は知事の任期中毎年1千億円平均で増え続け、残高6兆円に近づいてきた。道債をどう減らしていくことができるのか。
新規道債の計画的な発行抑制に努め、国には地方財政の財源不足への対応を求める。
(4)道税について
震災は経済活動に大きな影響を与え、これに伴い道税収入は厳しくなると想定されるが、道税収入をどう見通すのか。
震災の影響により経済動向の見通しが立ちづらく、具体的に見積もることは困難。
(5)直轄事業負担金について
直轄事業負担金改革の次のステップに向けてどのように対応するのか。
地域の実情に即した社会資本整備の推進が図られるべき。
4 北海道の自治のすがたについて
(1)地域主権三法について
「国と地方の協議の場」に何を期待し、道民の意見反映のためどう取り組むのか。
国民生活の安定確保に期待。全国知事会を通じて主張していく。
(2)北海道の自治のあり方について
これまでの8年間における地域の実情をどう反省し、検証し、今後の4年間で活性化をどこまで達成するのか。
厳しさが増す状況に対し、地域の元気と可能性を引き出すための施策を推進していく。
知事公約に盛り込まれた、「道民、市町村とともに地域主権改革を進めるための枠組みの整備」は、具体的にどう取り組むのか。
地域との議論をしっかり行い、地域主権改革を進めるための枠組みの検討を進める。
広域自治体と基礎自治体の役割分担構想などを明らかにしていくために、札幌市との広域連携のテーブルを設けるべきだ。
行政懇談会や課題ごとの検討の場を設け、北海道全体の活性化に向け連携していく。
北海道らしい自治のかたちを構築するにあたっては、新しい公共の担い手であるNPOなどとの政策協議の場が必要だ。
「北海道新しい公共支援基金」や意見交換の場を活用し、「新しい公共」の拡大と定着に取り組む。
(3)東北との広域連携について
新たな東北の姿もにらみながら、今後、東北とどう連携していくのか。
北日本全体のポテンシャルを高める観点から早期復興に向けて取り組む。
(4)地域支援について
「地域に徹底してこだわる」と言う知事は、地域づくり総合交付金でどのような地域づくりを目指すのか。
地域経済の活性化対策、移住促進施設整備、地球温暖化防止活動などを支援する。
予算計上された「集落実態調査」だが、机上の分析では地域の実態は把握できない。調査の効果をどう確保するつもりか。
生活実態の現状把握など、ポイントを絞って調査する。市町村振興協会の報告等も活用して効率的な実施に努める。
知事公約でもある「成熟社会総合フォーラム」は、地域社会のあり方を検討するとしているが、条例や規則に根拠を持たない組織に政策形成を委ねることに疑問が残る。
活力ある地域社会や経済のあり方を提言してもらい、政策に的確に反映させていく。
5 当面する道政課題について
(1)経済・雇用について
「食クラスター」の展開による経済効果、雇用効果をどう分析し、今後の事業展開にどう結びつけていくのか。
食の総合産業化に総力をあげて取り組み、雇用・所得・人材の確保につなげていく。
対象を若年者に絞り込んだ「地域若年者雇用奨励事業」の狙いは、雇用の場づくりの実効性をどう生み出すのか。
経済の持続的発展のためには、若年者が活躍できる場の提供が重要。研修や資格取得などの能力開発を含めた総合的な支援制度を創設する。
なぜ今、上海事務所を開設するのか、どういう効果を導き出そうとしているのか。
上海は中国経済の中心地であり、販路拡大、誘客、ビジネスサポートに取り組むほか、正確な情報を継続的に発信することで、北海道ブランド確立に努める。
(2)一次産業振興について
農業者が減少、農地を守りきれなくなっている。道が主体的な担い手対策をすべきだ。
就農を目指す若者を支援する予算を計上し、担い手の育成・確保に努める。
農業の6次産業化に向けて、道としてどのように地域を支援するのか。
商談会の開催など、付加価値の向上と販路拡大を推進していく。
道は市町村や森林組合と連携、協力していかなければ、10年後に木材自給率50%以上を目指すための森林整備計画の策定が進まないのではないか。
市町村森林整備計画の策定にあたって、林業普及指導員など道職員を参画させる。
エゾシカ対策について、捕獲後の処理にあたる機能の整備をどう進める。
「現地シカ・ステーション」モデル事業を実施し、情報提供、搬出支援、残滓対策の機能整備に取り組んでいく。
スケトウダラのTAC(漁獲可能量)の見直しに際しては、道が資源量の再評価のスムーズな期中改定等の制度自体や沖合底引きとの配分についての明確な方針を持って国に働きかけないと見直しは進まない。
「資源状況に見合ったTACとなっていない」、「沖底に比べ沿岸への配分が少ない」との声がある。8月末を目処に直近のデータを反映した見直しが検討されており、配分にあたっては、あらためて沖合と沿岸の漁業者が協議する。
(3)地域医療対策について
3期目就任以降、地域医療対策について、国に対し、どのように実効ある対策を求めてきたのか、また今後、どのように取り組んでいくのか。
広域化・連携の促進、ドクターヘリの圏域拡大、ドクタージェットの導入検討を進めるとともに、医師の要請・確保を図るために、実情に沿った制度改正を国に提言する。
地域医師確保推進室の設置などの組織改正の背景と狙いは。
救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療を一体的に、効率的かつ効果的に運営するために集約。また、医師確保対策を専掌組織として整備した。
地域医療再生計画を策定するにあたっての課題と解決に向けた対策、北海道医療計画との整合性、計画の実行による地域医療再生の可能性は。
計画案の承認後は、地方センター病院、救命救急センターの整備・拡充、専門医の中核病院への派遣、救急患者の広域搬送などに取り組む。
三次医療圏の機能強化を図るためには、広域的な連携、医療提供体制の確保が必要だ。振興局や保健所だけに任せるのではなく、知事自らが関与すべきだ。
職員が地域の協議の場に参画し、客観的データに基づき、住民参加のもとに、将来的な地域医療の姿を作り上げていく。
住民が安心して地域で暮らすためには、救急医療の充実強化が重要。医師確保に向けどのような対策を講じるのか。
3医育大学における救急医の養成に支援。計画案では、ICUや検査機器の整備、救命救急センターの機能強化、救急医の養成・派遣を検討していく。
(4)子育て施策について
知事が予算の肝いり施策と述べた、「北海道赤ちゃんのホットステーション」は本当に活用しやすい全道展開で整備できるのか、「母になる人への贈り物運動」は市町村や企業に押しつけるだけにならないかが心配だ。事業実現の時間的な目途は。
「赤ちゃんステーション」は、施設(おむつ交換台、授乳スペース)の整備に助成する。「贈り物運動」は、これから事業内容等を取りまとめる。
「妊婦健康診査支援基金」による健診内容充実の状況と成果、また基金の期限が切れた後の支援継続実施をどうする。
公費負担による妊婦健診の回数は14回以上実施され、健診項目の拡充も図られた。支援継続の財政措置を、市町村とも連携し国に要望したい。
(5)交通問題について
JR北海道やHACで起きた重大な事態への所見は。
極めて深刻に受け止めており、安全対策の徹底を強く求めていく。
HACは、3機の飛行機や乗務員が、フル稼働に近いような運航ダイヤ編成になっていることが事故の一因ではないのか。
航空法の範囲で運航されている。原因については国の調査や検査で明らかになる。
運行停止による減収、エンジン調達による経費増大で経営見通しが大きく食い違ってきた。筆頭株主の道としてどう対応するのか。
経営への影響は小さくない。まずは安全運航が最優先されるべきで、安全管理体制の確立を強く求めていく。
6 教育課題について
(1)教育政策について
今日の教育現場に対する教育長の認識は。
学力・体力の低下は極めて深刻な状況。また社会の複雑多様化に伴い、教員の業務は多様化・多忙化が進んでいるが、子どもと向き合う時間を確保し、教育活動を進める環境整備が必要。
これまでの教育行政の推進によって、学校・地域・家庭の連携や協力は深まったのか。
信頼関係の大前提となる教職員の法令遵守に向けて、服務規律の実態調査や情報提供制度を実施し、学校運営の適正化を図ってきた。
地域や家庭の教育力の強化に、どのように取り組んでいくのか。
生活習慣を確立するために、生活リズムチェックシートをPTAと協働で開発し、早寝・早起き・朝ごはん運動を強力に推進していく。
(2)学力向上について
震災の影響で全国学力調査は見送られ希望校のみの実施方針となった。結果を利用した再指導が難しくなったのだから1億円もの費用をかけて実施する意味はない。
国の問題を活用して調査を実施することは、有意義なものと考えている。
学校教育のあり方に即して、「上から下へ」の方式ばかりの学力向上策でいいのか。
学校改善プランのもと明確な目標を定め、学力向上に向けて意欲的に取り組んでいくことができるよう、課題に応じた支援を行っていく。
効果もない全国学力調査に使おうとする費用は、教職員の資質向上に向けるべきだ。
厳しい財政状況の中で、教職員の研修費用や機会の確保に努めている。
知事公約の学力向上での「全国レベルを目指す」ことには、どのような意味があるのか。競争心をあおることが本道教育の目標たりうるのか。
学力テストの平均正答率が全国で低い状況にあることは残念。心身ともに健やかに育っていくことができる環境づくりに努める。
(3)児童生徒の安全確保について
東日本大震災を踏まえ、保護者や子どもの防災意識を高める取り組みを、学校教育の中で積極的に行うべきだ。安全を確保する対策をどう講じるのか。
啓発資料を児童生徒に配布。防災教育フォーラムなどでも、意識の向上を図っていく。
小中学校の耐震化は全国平均を大きく下回っている。避難所としての利用も難しい現状を考えれば、耐震化の促進は急務であり、道は積極的に市町村を支援すべきだ。
市町村の財政負担軽減に向け、国庫補助率のかさ上げを国に要望。地震防災対策推進地域の学校施設については、重点的に働きかけていく。
避難路の確保も課題だ。避難路確保の検証、整備には道の参画、支援が欠かせない。
市町村が防災計画を見直す際には、避難路の確保と安全点検を指導する。

<再質問>

1 知事の政治姿勢について
(1)道政執行のあり方について
「新生北海道への道筋」とは、厳しい道内の現状の中で、何がどのように見え始めたと言うのか。
食クラスターや観光ブランドづくり、知床の世界自然遺産登録やサミット開催による注目度の高まり、自動車関連企業の立地やIT・バイオ産業の売り上げ拡大によって道筋が見えてきた。
(2)知事公約について
新たな施策・事業が多く盛られた公約の実現と、財政健全化の整合性をどう保つのか。
行政コストの削減、施策・事業の見直しなどにより、限られた財源を効果的、効率的に活用していく。
子育て施策に具体性がない。「肝いり」の施策であれば、道が主体性を発揮すべきだ。
主体性をもって取り組み、出産や子育てを社会全体で支えていく環境づくりに心から努めていく。
21世紀バックアップ拠点は、国任せで失敗してきた従来の各種誘致活動の繰り返しではないか。
本道の優位性や役割について積極的に発信し、必要な施策の推進を国に提言する。
成熟社会総合フォーラムは中味が極めて曖昧。なぜ、こうした組織が必要なのか。再度説明を求める。
健康で生き甲斐を持って暮らす社会のあり方を描いていくためには、多様な専門分野の知識を集め、先導的な研究、発言を行っている方々との議論が必要。
厳しい財政状況下で国内外の事務所機能を縮小している中で、上海に事務所が必要で、上海ならば効果が出るというのは、施策に整合性を欠いていないか。
成長著しい中国で、北海道の食や観光への関心が高まっていることから拠点設置する。
2 原子力発電について
(1)運転再開について
国の責任ある説明が泊原発運転再開の前提としているが、3号機も同様の認識か。
国から説明があった後、3号機も含め、再稼働の対応を検討する。
(2)プルサーマル発電について
福島原発事故を踏まえてのプルサーマル発電への認識は。
国の検証結果を踏まえ、事業者として適切に対応するよう北電に求める。
(3)原子力防災計画見直しについて
見直しにあたっては、後志管内の町村の参画を行うべきだ。
課題抽出の検討状況に応じて、関係自治体の意見を聞く。
(4)大間原発について
電源開発はフルMOX発電の運転に実績がなく、道民は不安を持っている。
国に対して福島原発事故の検証と、それを踏まえた大間原発の安全性の説明を求めていく。
(5)省エネ・新エネへの取り組みについて
国の動向を待つのではなく、率先して、地域固有の資源のエネルギー化の促進、エネルギーの地産地消など、安全・安心の社会形成に向けた行動計画をつくるべきだ。
再生可能エネルギーの取り組みに対して助成措置を講じるなど、新エネの導入促進の取り組みを加速させていく。
3 財政問題について
(1)財政運営について
少しでも先を見通せるような財政の確立にどう取り組むのか。
依然として収支不足額は多額であり、行政コストの削減、施策の見直しをはかり、財政の健全化に取り組んでいく。
(2)道債について
道民生活への影響を考えると、新規道債発行の抑制は難しい中で、知事が掲げている26年度末の道政残高目標5兆円への所見は。
「新たな行財政改革の取り組み」に基づく新規道債発行の抑制により、26年度を最終年とする残高目標の達成に向け最大限努力する。
(3)道税について
道税の確保について震災の影響を見通し見積もることができないのであれば、本道経済の活性化も見込めないということにならないか。
切れ目のない雇用対策、中小企業対策、食の付加価値化や販路拡大、環境・エネルギー関連産業の育成・振興の推進で経済の活性化に取り組む。
4 北海道の自治のすがたについて
(1)北海道の自治のすがた、自治のかたちについて
地域のすがた、自治のかたちをどのように描き、実現に向けた今後の工程は。
広域的な連携協力のあり方、市町村への支援や連携のあり方、札幌市の経済力の波及方法などの議論が必要。推進会議や実務者会議を活用し議論を進める。
(2)札幌市との連携について
道府県という広域自治体と政令市の行政の役割分担、権限はどうあるべきか。
二重行政の解消による住民サービスの向上や、災害対策分野での効果的・効率的な施策の推進に期待される。一方で、一極集中が加速される懸念がある。
(3)集落実態調査について
地域の実態把握の効果がしっかりと出せる調査として組み立て直すべきだ。
住民生活の実態に関する現地調査を行う。
5 食クラスター、6次産業化について
プロジェクトの絞り込みや、技術面での重点的な支援をどう展開するのか。
「戦略タスクフォース」での評価検証や、関係機関にプロジェクトを組織する。6次産業化においても、地域産品の高付加価値化に向けた技術開発を促進していく。
6 地域医療対策について
医師確保対策と表裏一体で広域化連携を進めることが最重要課題ではないか。
自治体病院の広域化・連携を促進することは重要。本庁職員が協議の場に積極的に参画し、リーダーシップを発揮していく。
7 HACについて
経済界も運行体制に懸念を表明している。運行体制への評価が、今後の安全確保論議の基本だ。
社内ガバナンスの強化や安全管理体制の確立を強く求めていく。
8 教育課題について
(1)教育政策について
教育現場への強権的な介入が相次いでいる。教育現場の求めを受け止め、支援するのが教育行政の役割ではないか。
教育の質の向上や創意工夫を活かした学校運営に向けて、必要な指導・助言・支援を行っていくことが責務。
(2)全国学力調査について
大震災で調査の意味合いが根底から変わった。市町村への押しつけをやめるべきだ。
学力向上の取り組みが継続されていくことが重要であり、引き続き支援していく。

<再々質問>

1 原子力発電について

(1)プルサーマル発電について
知事は、北電に対して道民の安全・安心を守ることを、しっかり求めるべきだ。
国の検証結果に基づき、事業者として適切に対応すべきであることを求めていく。
(2)原子力防災計画見直しについて
少なくとも後志管内を対象に拡大する見直しをすべき。
現行の避難区域に関わらず、関係市町村の意見を踏まえ、技術的な観点からの課題抽出を行っていく。
(3)大間原発について
国任せでなく、北海道の問題として捉えるべきだ。
建設の必要性などは、国の責任において明確に説明すべきもの。
2 地域医療対策について
今年度中に連携構想の地域モデルを設定すべきではないか。
早期に中核的病院を中心とした地域の医療提供体制のあるべき姿をつくっていく。

up

一般質問者の質疑内容

沖田 清志 議員(苫小牧市)

 1 市町村振興について
 (1)北海道市町村振興協会に係る会計処理などについて
 (2)「再就職に関する取扱要綱」について
 (3)今後の北海道市町村振興協会の運営について
 (4)宝くじ収益金の活用について

 2 新千歳空港の機能強化について
 (1)深夜・早期時間発着枠の拡大について
 (2)地域との協議について

 3 環境行政について
 (1)道政執行方針について
   ア)環境産業の振興について
   イ)環境配慮型データセンターの誘致について
 (2)CCS実証試験事業誘致について
   ア)大規模実証試験の誘致について
   イ)誘致に向けた今後の取り組みについて
 (3)太陽光発電について
   ア)これまでの取り組みについて
   イ)普及に向けた考えについて
   ウ)メガソーラーの設置に対する道としての見解等について
 (4)東日本大震災後の廃棄物処理について



笹田  浩 議員(渡島管内)

 1 噴火湾ホタテ養殖被害について
 (1)市町村の震災復旧対策について
 (2)被災施設の撤去について
 (3)漁業者への追加支援について
 (4)市町村への財政支援について
 (5)事業実施の年度について

 2 北海道新幹線事業に伴う支援策と道民の理解について
 (1)道の支援策について
 (2)開業効果の拡大・活用に資する取り組みについて
 (3)啓発活動などの取り組みについて
 (4)道立広域公園の活用について

 3 公立高等学校配置計画について
 (1)地域の意見などについて
 (2)通学費等の支援について


松山 丈史 議員(札幌市豊平区)

 1 教育・文化施策について
 (1)外国語教育について
 (2)小学校における教科担任制の検討について
 (3)アイヌ語の保護・保存について

 2 公益法人の認定について
 (1)公益法人の認定について
 (2)関与団体見直し計画について

 3 エネルギー政策について
 (1)自然エネルギーへの知事の思いについて
 (2)次世代自動車について
 (3)冬季の暖房について
 (4)薪ストーブの促進について

 4 廃棄物処理について
 (1)循環資源利用促進税事業について
 (2)下請建設業者の産業廃棄物収集運搬について
 (3)放射性物質を含んだ廃棄物処理について

 5 地域の中の若年者の仕事について
 (1)地域若年者雇用奨励事業について
 (2)若年者の企業支援について



向井 昭彦 議員(札幌市北区)

 1 泊発電所にかかる安全対策について
 (1)避難道路の確保について
 (2)オフサイトセンターについて
 (3)ラジオの難聴対策について

 2 観光対策について
 (1)外国人観光客へのIT機器導入について
 (2)長期滞在型観光への取り組みについて

 3 食育の取り組みについて
 (1)学校と家庭での食育の取り組みについて
 (2)北海道としての食育に対する取り組みについて


市橋 修治 議員(後志管内)

 1 北海道の防災について
 (1)今後の維持管理の方向性について
 (2)今後の社会資本整備の考え方について

 2 泊原発の安全対策について
 (1)原子力発電所の安全対策について
 (2)泊原発のシビアアクシデントについて
 (3)プルサーマル計画について
 (4)泊原発の津波対策について
 (5)泊原発の耐震設計について
 (6)オフサイトセンターについて
 (7)被ばく医療機関の体制等について
 (8)モニタリングポストの設置等について
 (9)避難道路について
 (10)EPZの見直しについて
 (11)プルサーマル計画の凍結について
 (12)仮称・原子力安全検証委員会の設置について

 3 教育現場の安全対策について
 (1)避難所の指定状況と今後の指定の進め方について
 (2)学校施設の原子力防災対策について
 (3)学校の避難対策、避難訓練の状況等について
 (4)原子力に関する指導について

 4 原発に係る知事の基本的な考えについて


中山 智康 議員(伊達市)

 1 がん対策について
 (1)がん対策推進計画の取り組み状況について
 (2)がん対策条例の意義について
 (3)がん治療の提供体制について

 2 観光振興について
 (1)計画目標と現状について
 (2)観光客の満足度について
 (3)新たな行動計画について

 3 エネルギー政策について
 (1)知事の姿勢について
 (2)発電コストについて
 (3)CO2の排出量について
 (4)エネルギー自給率について
 (5)「脱原発」に要する時間について
 (6)今後のエネルギー政策について


高橋  亨 議員(函館市)


 1 泊原発及び大間原発に関わる諸問題について
 (1)大間原発のフルMOX燃料について
 (2)大間原発からの買電予定について
 (3)国のEPZについて
 (4)津軽海峡の重要性の認識について
 (5)大間原発の関係自治体について
 (6)関係する自治体との協議について
 (7)説明会の開催について

 2 防災計画の見直し等について
 (1)震災から何を学んだのか
 (2)北海道防災計画初動マニュアルについて
 (3)原子力災害時の相互応援協定について
 (4)放射性モニタリングについて
 (5)福祉避難所について

 3 風評被害が及ぼす観光等への影響について
 (1)キャンセルに対する支援について
 (2)「北海道安全宣言」について

 4 震災廃棄物の受け入れについて
 (1)震災廃棄物受け入れに対する住民理解について
 (2)放射能に汚染された廃棄物について

 5 受動喫煙による健康被害の予防について
 (1)受動喫煙への認識について
 (2)受動喫煙防止対策について
 (3)受動喫煙の防止条例について


佐々木恵美子 議員(十勝管内)


 1 児童相談所の保護指導員のあり方について

 2 北海道の英語活動・英語教育について

 (1)アルバータ州立大学への教員派遣事業について
 (2)英語教育推進のための総合的な施策について
 (3)イングリッシュキャンプについて
 (4)ALT等の活用について

 3 高校教育について
 (1)新しい高校づくりについて
 (2)特別支援学校の配置計画について
 (3)配置計画の策定について
 (4)指針の見直しなどについて



委員会における主な質疑

(1)第1回臨時会、第2回臨時会
 東日本大震災の発生に伴い、3月30日に第1回臨時会が開かれた。知事選挙告示後の異例の日程での開催。「地震被害への緊急対策等を求める意見書」、道内復旧対策や道外被災地支援等の緊急対策の補正予算23億1,900万円を可決。勝部賢志(江別市)議員が質問に立ち、道内における被害復旧対策、道外被災地・被災住民支援、原発事故対策について知事に質した。
 地方統一選挙後の議会構成等を協議する第2回臨時会は、5月13日〜19日に開かれたが、この臨時会においても、道内の水産復旧を主な内容とする震災対策の補正予算48億4,500万円が提案、可決された。稲村久男(空知管内)議員が漁業被害対策、被災地支援、原発事故対策、道の防災対策について質問した。

(2) 常任委員会・特別委員会
総務委員会では、滝口信喜(室蘭市)議員が6月7日に包括外部監査の結果について、危機管理について、7月7日に道の防災体制について、高橋亨(函館市)議員が6月7日に北海道地域防災計画の見直しについて質疑。
総合政策委員会では、段坂繁美(札幌市中央区)議員が5月18日に工事請負契約の締結について、6月7日に東日本大震災被災県に対する北海道の支援状況について、6月13日に仮称・北海道水資源の保全に関する条例について、7月7日にバックアップ拠点構想策定について質疑。
環境生活委員会では、橋本豊行(釧路市)議員が6月7日にエゾシカ対策について質疑。
保健福祉委員会では、広田まゆみ(札幌市白石区)議員が6月7日に障がい者福祉の推進について、社会保障費の検証について、がん対策条例について、東北大震災に関する対応について質疑。
農政委員会では、福原賢孝(檜山管内)議員が7月7日に魅力ある道南農業の振興について質疑。
水産林務委員会では、池本柳次(十勝管内)議員が6月13日に森林所有者情報の調査結果及び森林法の改正について質疑。
文教委員会では、斉藤博(函館市)議員が6月7日にタクシーチケット不正使用問題について、勝部賢志(江別市)議員が6月13日に公立高等学校配置計画案について、7月7日に東日本大震災に係る対応状況について質疑。
産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会では、星野高志(札幌市東区)議員が5月18日にエネルギーの安定供給について、6月8日に福島第一原発事故を踏まえた泊発電所の緊急安全対策等について、6月13日にプルサーマル計画について、7月7日に電力需給について、向井昭彦(札幌市北区)議員がストレステストについて、電力需給について質疑。
新幹線・総合交通体系対策特別委員会では、梶谷大志(札幌市清田区)が6月13日に北海道エアシステムの重大インシデントについて質疑。
道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会では、北口雄幸(上川管内)が7月7日に道から市町村への事務権限委譲について質疑。
少子・高齢社会対策特別委員会では、林大記(札幌市南区)議員が6月8日に介護事業所に対する指導等について、小林郁子(札幌市中央区)議員が6月8日に児童相談所等における児童虐待相談処理状況について、市橋修治(後志管内)議員が6月8日に児童相談所等における児童虐待相談処理状況について、段坂繁美(札幌市中央区)議員が6月8日に児童相談所等における児童虐待相談処理状況について、7月7日に児童虐待の早期 発見・未然防止について質疑。
食と観光対策特別委員会では、高橋亨(函館市)議員が6月8日に東日本大震災に対応した観光対策及び中国における北海道観光プロモーションの実施状況について、佐々木恵美子(十勝管内)議員が6月8日に東日本大震災に対応した観光対策及び中国における北海道観光プロモーションの実施状況について質疑。

(3)第2回定例会予算特別委員会
 第2回定例会予算特別委員会(北準一委員長)は、7月1日〜6日に開かれ、第1分科会(北口雄幸委員長)で佐藤伸弥(網走市)議員が国民健康保険について、災害時の要援護者対策等について、NPOへの支援物品の提供について、黒糖の表示問題について、防災対策について、池本柳次(十勝管内)議員が地域医療について、エゾシカの適正な保護管理の推進方策について、エゾシカ緊急対策推進に取り組みについて、広田まゆみ(札幌市白石区)議員が東日本大震災を踏まえたNPOの活動支援強化について、北海道ボランティア活動振興方策について、道立市民活動促進センターについて、総合政策部の存在意義と役割について、「北海道価値」について、東日本大震災を踏まえた「新しい公共」の取り組みの促進について、東日本大震災を踏まえて新たな自治体間連携の取り組みについて、地方分権の観点からの北海道地域防災計画等の位置づけについて、北海道地域防災計画等の見直しの考え方について、市町村の防災計画等の見直しに向けた道の役割と取り組みについて、福原賢孝(檜山管内)議員がPFIについて、国際交流を通じた人づくりについて、知事の公約について、第2分科会で梶谷大志(札幌市清田区)議員がHACについて、建設資材の調達と建築業の振興について、震災による北海道経済の実状とその対策について、道のエネルギーのあり方について、福原議員が日本海における栽培漁業の振興について、久保雅司(札幌市東区)議員が農業の担い手について、小林郁子(札幌市中央区)議員が省エネルギー・新エネルギー促進行動計画について、震災の影響を受けた企業等への支援について、地域活性化ワイド資金について、特別支援学校の清掃業務について、不登校問題について、勝部賢志(江別市)議員が教育行政に臨む基本姿勢について、少人数学級の導入について、校内教職員研修促進費について、義務教育費国庫負担について、全国学力調査について、信頼関係の構築について質疑した。
総括質疑では、梶谷議員が地域医療対策について、HACについて、地域活性化ワイド資金について、福原議員が行財政運営について、泊原発の安全確保と危機管理について、省エネルギー・新エネルギー促進行動計画について知事に質した。


<附帯意見>
1.  本年3月に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に数多くのとうとい命を奪い、沿岸地方に壊滅的な被害をもたらした。本道においても漁港、荷さばき所などの共同利用施設を初め、漁船、養殖施設など、水産業を中心に大きな被害を受けたところである。
 加えて、福島第一原子力発電所の重大事故では、大量の放射性物質が放出され、わが国で初めて「原子力緊急事態宣言」が発令された。
 原子力発電所は、何よりも安全性が最優先されるべきものであり、国の規制責任が十分果たされることが重要である。
 道は、国に対し、原発事故に関する徹底した検証を行い、その結果に基づく原子力発電所の安全確保に万全の対策を講ずるよう強く求めるとともに、道民の安全・安心を確保するため、市町村等と連携し、地震・津波・原子力に関する防災体制のさらなる強化を早急に図るべきである。
1.  本道経済は、平成20年秋のリーマンショック以降の大幅な景気悪化から十分に立ち直らないまま、このたびの東日本大震災による被害が重なり、加えて、福島第一原子力発電所の事故による風評被害などから、観光や輸出面を初めとして、地域の経済・産業活動などに深刻な影響が出ており、その長期化が懸念されるところである。
 道としても、被災地の復旧・復興とあわせ、地域の産業、雇用、暮らしが守られるよう地域経済の立て直しに向けた積極的な取り組みを進めることが重要である。
1.  本年6月4日、奥尻空港に向かったHAC機の異常降下問題などに関し、国土交通省は株式会社北海道エアシステムに対し、安全管理体制や教育訓練などを見直すよう、航空法に基づく「事業改善命令」という厳しい処分を下した。
 HACは、日本航空が経営から撤退する旨を表明してから、関係自治体、経済・金融界などが「道民の翼」として支援を行い、本年3月末に新体制がスタートしたところである。
 その直後に起きたこの重大インシデントにより、HACの安全管理体制の不備が露呈するとともに、事故機の修理による運休が経営に大きな影響を与える事態となっている。
 道は、このたびの事態を深刻に受けとめ、HACに対し安全運航を最優先とする組織運営、経営体制を早急に構築するよう強く求めていくとともに、筆頭株主としての責任を十分認識し対処すべきである。

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当面する課題と会派の対応

(1)原子力政策、エネルギー政策について
 3月11日の東日本大震災の際に発生した、東京電力福島第一原子力発電所の重大事故は、「停止」、「冷却」、「封じ込め」の三つすべてに失敗するという、原子力発電史上最悪のものであり、発生以来、約4ヶ月を経ても、収束のめどがたっていない。放射物質の拡散が続き、多くの人が避難生活を強いられ、さらに多くの人々が健康被害におびえながら日々の生活している。
 いわゆる、原子力の「安全神話」は、その根拠であった「多重防護」が、ことごとく失われた福島原発の事故によって、根底から崩壊した。国が進めてきた原子力政策及び原発優先のエネルギー政策は、事故の原因の究明、検証を踏まえて、抜本的な見直しが求められている。
 国に求められるのは、まず、福島原発事故の収束を急ぎ、放射物質拡散による健康被害防止策、とりわけ健康被害が懸念される若年者や妊婦等の方々の対策を早急に講じることだ。稼働中の原発の安全対策については、福島原発における事故の原因究明及び検証結果や、中部電力浜岡原子力発電所への全面停止要請の経緯を踏まえての国としての方針を示し、安全対策を講じるべきであり、定期点検からの運転再開に際しても同様の措置がとられるべきだ。さらに、福島原発の事故を踏まえれば、原発から半径10キロ圏内で設定されている「防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲」(EPZ)の拡大を速やかに行い、当該地域内の自治体、住民を今後の安全対策見直し等に参画させることなどが求められる。
道内においても、北電泊原発では、津波の想定を主とする緊急的な対策が講じられてはいるが、福島原発での事故の状況が一向に明らかになっておらず、また、国が全面停止要請した中部電力浜岡原子力発電所と他原子力発電所との違いが明確になっていない状況では、北電の安全対策は十分な説得力を持ち得ないでいる。こうした中では、少なくとも北電泊原発におけるプルサーマル発電は凍結されるべきであり、また、フルMOX燃料での発電を計画する、電源開発大間原子力発電所は、まさに北海道にこそ影響を与える立地であり、道は国や青森県との協議を求めるべきだし、大間原発を北海道原子力防災計画の対象にすることを検討すべきだ。
 今回の事故を踏まえれば、原発ありきで進められてきたエネルギー政策の転換を進めることも重要だ。国は、自然エネルギーの全量固定価格買い取り制度を導入する「再生可能エネルギー特別措置法案」を速やかに成立させることや、自家発電設備、太陽光発電・蓄電池等の導入補助を大幅に拡充するなどの促進策を講じる必要がある。
道は、原子力を過渡的エネルギーと位置づけ、脱原発の視点に立っての「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」を平成13年に施行し、条例に基づく「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画」の抜本的な見直しに取り組んでいる最中だ。知事が、「再生可能エネルギーの宝庫」と言う北海道として、再生可能エネルギーの占める割合の数値化といった具体的な目標を定めた計画を策定するなどして、条例の理念の実現に取り組んでいくべきである。
 会派は、今後の原子力政策、エネルギー政策の見直しに向けて取り組むために、「原発からのシフトをめざすプロジェクトチーム」を設置した。

(2)予算編成等への要望について
会派は、5月27日、知事に対して、政策補正予算の編成及び当面する道政執行に関する要望・提言を行った。要望・提言の内容は以下の通り。


2011年度道予算編成及び道政執行に関する要望・提言

1 東日本大震災について
(1)道内被災の被害復旧、道外被災地への支援
3月11日発生の東日本大震災は、道内外に甚大な被害を与えた。道内被災の被害復旧を急ぐこと。東北を中心とする道外被災地への復旧・復興への支援に積極的に取り組むこと。
(2)道内への影響の防止
大震災発生により、道内でも、いわゆる“風評被害”的な影響が生じている。北海道の状況の情報発信を積極的に行うなどして影響防止に取り組むこと。
(3)防災対策の抜本見直しと迅速な推進
今回の大震災の震度の大きさ、津波の巨大さによって、北海道が取り組んできた防災対策は抜本的な見直しが必要だ。「北海道防災計画」、「北海道原子力防災計画」見直しを急ぎ、必要な防災対策を道民に明らかにすること。
(4)原子力発電への対応
東京電力福島原発で生じている事態で、原子力発電や原子力行政への信頼が根底から揺らいでいる。福島原発での放射性物質漏出に伴う道内検査体制を強化すること。北海道電力泊原発や電源開発大間原発については、福島原発の事態を見極めながら、従来の原子力行政の枠組みに止まらず、道民の安全を第一にした対応を行うこと。脱原発の姿勢を明らかにしている「北海道省エネ・新エネ促進条例」の具現化に取り組むこと。
2 経済、雇用対策について
(1)地域資源を活かした産業文化の振興
経済の停滞が長期化してきた道内経済は、震災の影響が加わることで一段の落ち込みが懸念されている。北海道が優位性を持つ「食」や「環境」を活かした食クラスター、観光など産業文化を振興し、地場産業・道内中小企業を支えて、地域を活性化すること。
(2)地域での安定的雇用の確保
道内完全失業率は5%台で高止まりのままだ。国の雇用対策基金での対策は安定的雇用の確保にまでつながっていない。北海道雇用創出基本計画の推進、次期計画の策定に際しては、新規学卒者をはじめとする若年者雇用や失業が長期化する傾向にある中高年齢者対策を重点化し、地域での幅広い関係者の力を結集して、地域に根ざし、きめ細かく対応すること。雇用の質を高めるセーフティネット構築のため、「公契約条例」を制定すること。
3 一次産業振興について
(1)農林漁業の再生、農山漁村の活性化
豊かな資源を有する農林漁業を再生することで、地域の活力を引き出していくべきだ。
「6次産業化」の推進や、戸別所得補償の拡充によって持続的な農山漁村の活性化に取り組むこと。エゾシカ等野生鳥獣による農林業被害防止に向けての対策を急ぐこと。
(2)国際交渉への対応
TPPをはじめとする国際交渉に向けて、安全・安心の食の供給や国内食料自給率への北海道の農林漁業の大きな役割を全国に発信するなどして、慎重な対応を求めること。
4 医療と福祉の確保について
(1)地域医療の再生
地域で暮らす基盤である医療は極めて深刻な状況にある。地域医療の再生に向けて広域化連携構想や道立病院改革、医師確保対策などの諸施策を点検・検証し、地域で安心して暮らし、子育てをしていけるように再生の方策策定、施策の充実強化に道がリーダーシップを発揮しながら取り組むこと。
(2)福祉の充実
高齢者や障がい者が住み慣れた地域で安心して暮らせる地域づくりが求められている。「北海道障がい者条例」に基づいての地域づくり委員会の活動を活性化すること。
最終年度となる第4期北海道高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画の検証を急ぎ、課題を明らかにした上で、次期計画を策定すること。
5 教育環境の整備について
(1)教育環境の確保
きめ細かい教育の推進のため、少人数学級編制を進めること。私学助成を充実すること。道教育委員会の教育現場における「通報制度」を撤廃すること。
(2)安全な教育環境
学校施設について、東日本震災の検証を踏まえ耐震化や津波等からの避難路などを点検し、地域防災拠点としての整備に取り組むこと。
6 道の行財政運営について
(1)地域主権改革への取り組み
国は、地方分権について、「地域のことは地域が決める」との地域主権の国づくりの対応を進めている。国や市町村との役割分担、他都道府県との連係を道民や地域とともにつくり上げる作業を急ぐべきである。広域行政のあり方の検討、地域支援策の拡充を図ること。支庁制度改革等で生じた地域との関係悪化の修復に取り組むこと。
(2)道財政の再建
道の財政は、道債残高が5兆7千億円に達するなど極めて深刻な状況にある。安定した地方財政の確立に向け、国と地方の間での税財源改革に取り組むこと。特別会計事業、天下り・関与団体等についても抜本的に見直す行財政改革を実施すること。
    以 上 
(3)会派の体制について
地方統一選挙に伴い、会派は、37人の議員が参加して構成され、第2回臨時道議会で、会派の役員体制、委員会配置などが以下のように決定した。


道議会民主党・道民連合議員会 第29期前期 役員構成

▽議員会長 林  大記
▽副会長 木村 峰行 池本 柳次 勝部 賢志
▽幹事長 田村 龍治
▽副幹事長 市橋 修治 橋本 豊行 笹田  浩
▽議会対策委員長 長尾 信秀
▽政審会長 福原 賢孝
▽政審筆頭副会長 稲村 久男
-----------------------------------------------------------
▽道議会副議長 三津 丈夫
▽道監査委員 池田 隆一
▽民主党道連幹事長 岡田  篤
         




道議会民主党・道民連合議員会 第29期前期 委員会編成
      (◎=委員長 ○=副委員長 ▽=理事・複数の場合は▼=筆頭理事)

<常任委員会>
総務委員会
   ○梶谷 大志   ▽沖田 清志   滝口 信喜   高橋  亨
総合政策委員会
   ○中山 智康   ▽松山 丈史   段坂 繁美   小林 郁子
環境生活委員会
   ▽橋本 豊行    伊藤 政信   木村 峰行   北   準一   市橋 修治
保健福祉委員会
   ◎佐々木恵美子 ▽広田まゆみ   須田 靖子   長尾 信秀
経済委員会
   ◎久保 雅司   ▽向井 昭彦   林   大記   三井あき子
農政委員会
   ○北口 雄幸   ▽福原 賢孝   平出 陽子   岡田  篤
水産林務委員会
   ◎日下 太朗   ▽笹田   浩   池本 柳次   佐藤 伸弥
建設委員会
   ▽稲村 久男    星野 高志   池田 隆一    田村 龍治
文教委員会
   ○道下 大樹   ▽勝部 賢志   三津 丈夫   斉藤  博
 
<特別委員会>
産炭地域振興・エネルギー問題調査委員会
   ◎斉藤  博   ▼橋本 豊行   ▽向井 昭彦   星野 高志   池本 柳次   久保 雅司
北方領土対策委員会
   ○広田まゆみ  ▼須田 靖子   ▽中山 智康   木村 峰行   日下 太朗   勝部 賢志
新幹線・総合交通体系対策委員会
   ▼梶谷 大志   ▽笹田  浩    伊藤 政信   池田 隆一   長尾 信秀   道下 大樹
道州制・地方分権改革等推進調査委員会
   ▼北口 雄幸   ▽沖田 清志   平出 陽子   滝口 信喜   岡田  篤    北  準一
少子・高齢社会対策委員会
   ◎三井あき子   ▼小林 郁子  ▽市橋 修治   段坂 繁美   林  大記   田村 龍治
食と観光対策委員会
   ○佐藤 伸弥   ▼稲村 久男  ▽松山 丈史   佐々木恵美子   高橋  亨   福原 賢孝
<議会運営委員会>
   ○長尾 信秀   ▼橋本 豊行  ▽道下 大樹   佐藤 伸弥   沖田 清志




道議会民主党・道民連合議員会 第29期前期 政策審議会

▽会   長     福原 賢孝
▽筆頭副会長   稲村 久男
▽副 会 長    梶谷 大志   北口 雄幸  小林 郁子
▽委   員     笹田  浩   松山 丈史  向井 昭彦






道議会民主党・道民連合議員会 第29期前期 議連・PT

【議連】
▽国際交流議連  ▽農業・農村政策振興議連  ▽水産業・漁村振興議連
▽教育行政議連  ▽森林・林業整備議連  ▽商工業振興議連  ▽社会資本整備議連
▽観光政策議連  ▽畜産業・乳業振興議連  ▽「新しい公共政策」議連
▽不動産業・宅地建物取引業議連  ▽税理士・行政書士議連  ▽福祉・社会保障議連
▽医療関連議連  ▽生活衛生業議連  ▽港湾運送事業・整備議連  
▽季節・建設労働対策議連

【プロジェクトチーム=PT】
▽自治体財政・道州制対策PT  ▽道営競馬対策PT  ▽試験研究期間独法化対策PT
▽アイヌ民族PT  ▽コンビニ問題検討PT  ▽道民の日条例制定PT
▽ガン対策推進条例検討PT  ▽原発からのシフトをめざすPT

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